来年、僕はプロ活動20周年を迎えます。
機会あるたびに話しているので、ご存じの方も多いと思いますが、
僕は20代はIT企業でWebの仕事をしていて、
30歳でピアニストとしてプロ活動をスタートしました。
クラシックのピアニストの方からしたら、
音大に行ってないことも、会社勤めもしてたことも異色だと思うし、
音楽事務所に所属せず、ピアノ教師もせず、
オリジナル曲と即興演奏だけで、一匹狼で演奏のプロで成り立ってるって、
「どうやってやってってるの??」って疑問に思うほど、
珍しいスタイルかもしれません。
でも、自分が思春期の頃から一番親しんできたロックバンドの世界では、
学歴はもちろん関係ないし、
オリジナル曲で少しずつファンを増やして、プロを目指すって普通なので、
当たり前のようにやってきました。
思春期の頃にバンドブームがあり、プロのミュージシャンに憧れました。
自分の作った楽曲でステージに立ち、表現し、それで食べていく。
ほんとにかっこよくて、最高に素敵なことで、
自分もそういう道を歩みたいと夢を抱きました。
でも社会に出るに頃はバブル崩壊の最悪の経済状況。
就職氷河期で、音楽どころか就職もできず、
かといって、音楽で食べていくことに向き合う勇気がなくて、
宙ぶらりんのままフリーターして、派遣などの非正規雇用で働いて。
遠回りばかりして、自分からも逃げてばかりでした。
なんの実力もなく、夢と現実のギャップに挟まったまま、
20代が過ぎてしまいました。
でも30歳になったとき、人生の半分に来てしまった気がして、
「このままじゃいけない。音楽の道へ行こう」と、
初めて向き合うことができました。
そして、バックパックひとつで演奏の旅に出て、
地縁も血縁もない各地で、初めまして、で演奏させてもらい、
そのご縁が続いて、気づいたら20年が経ちました。
この20年、僕を支えてくれたものは、
出会ったすべての方の存在。
ずっと応援してくれている方、
僕の音楽を好きになってくれた方、
同じように頑張っている同志たち、
妻と娘。
そして、
いいライブができたときの喜びと、
周りに何を言われようと、
ブレずにここまできた自分の信念。
来年の20周年は、
これまで自分を支えてくれたすべてのものへの感謝の年にしたい。
そして、
これまでやりたいと思ってたけど、やってなかったことをやって、
とにかく楽しく、めでたい年にしたい。
今はまだ、今年のライブのことで精いっぱいだけど、
こんなふうに少しずつ来年のことを考え始めています。
(写真は、初めて森に鍵盤ハーモニカを持って行った28歳ごろ。この頃に、今の音楽性が芽生えました)