長崎県と佐世保市が計画している東彼杵郡の石木ダムや、佐世保市へのIR(カジノ)誘致は、佐世保市民が心から望んでいることなのでしょうか。
今、大規模工事が行われている名切地区再整備では公園の一部は有料施設になり、市立図書館の駐車場も有料化します。それも佐世保市民が望んでいることでしょうか。
公園の木が次々に伐採される姿は、市民が知らない間にトップダウンで決められ、特定の組織の既得権益のために、いろいろなものが少しずつ破壊されているという思いにさせられます。
先ごろの衆議院選挙では、野党共闘の是非が問われ、「共闘は失敗だった」「連合票を逃した」という意見を多く目にします。しかし候補を一本化したことで国民に分かりやすい構図を作ってくれましたし、多くの選挙区で接戦に持ち込みました。9年間のアベスガ政権への批判票の受け皿になっていたと思います。惜しくも競り負けた原因を分析すればいいだけで、市民の側から見たら共闘が大失敗だったとは思いません。
むしろ、結党当初から「ボトムアップの政治」「草の根の政治」を掲げていた立憲民主党が、連合という組織票を気にして、市民一人ひとりと向き合わなかったことが敗因に思います。すべて市民ボランティアの力で動いた市民政党である、れいわ新選組はちゃんと党勢を伸ばしました。
先に述べた佐世保の石木ダム、カジノ誘致、名切地区再整備とも共通することですが、今こそ、ボトムアップの市民政治が必要だと感じます。トップダウンの政治、組織票が左右する政治が進めば進むほど、市民の心は政治から離れ、投票率も上がらないままでしょう。
この国の主権者は私たち一人ひとりで、政治を動かすのも私たち一人ひとりであるという原点を、見つめ直すときだと思います。