やっと読み終わりました話題の本「人新世の資本論」(斎藤幸平・著)。
人類がいま迎えている危機と、資本主義の矛盾と限界、既存の左派やグリーンニューディール、SDGs等の問題点について、僕ら素人にも分かりやすく伝えようとしてくれている本です。そして、最新の晩期マルクス研究から、僕らがどのような社会システムへと変換したらいいのか、希望の道筋を示してくれています。
この本が30万部以上売れているベストセラーということがまた嬉しいです。僕のような素人にも読めました。後半になるほど面白いです。普段から資本主義社会をしんどく感じている僕には、胸のすく思いでした。「あとがき」でさらに勇気をもらえます。ぜひ読んでみてください。
….ところで、この本ではコモン(公共財)のエリアを広げていくこと、例えば、土地、住居、交通、教育、医療、食糧、水、電気などは社会的所有物として、市民が無償で使えるようにすることや、市民が協同管理することを掲げていて、実際にそれを実践しているバルセロナなどを紹介しています。
僕の仕事…音楽などの文化も、富裕層やお金に余裕のある人だけが楽しむものではなくて、すべての市民が無料で享受できるもの…例えば図書館で無料で本が借りられるように…だといいですよね。しかし実際には、小学校での舞台鑑賞などはどんどん削られ、日本では逆行しています。資本主義の利潤追求や競争の一部としてではなく、ただただ無料で消費されていくのでもなく、市民も芸術家も幸せになれる公共財としての文化のあり方(=自分の生き方)について、もっと模索したいと改めて思いました。