お金なんかいらない。
もし僕が余命数日で、
次が最期のライブだとしたら、
お金なんかいらないでしょう。
とにかく演奏できるだけで充分で、
聴いてもらえるだけで充分で、
最期につながりあえるだけで充分なのだから。
僕は毎回が最期と思って演奏しているので、
そういう意味ではお金なんかいらないのです。
ただ、今は、
僕には家族がいて、
移動には交通費がかかって、
終わった後に一杯呑みたくて、
そして、また次の活動へとつなげる必要があるから、
お金をいただいているに過ぎない。
プロだから、仕事だから、お金をもらってるというのは分かりやすいからそういう説明になっているだけであって、
プロだからお金もらうんじゃって気持ちでピアノやお客さんに向かっても、なんの意味もない。
音楽の質とはまったく関係がない。
もちろん、メジャーかマイナーか、
プロかアマかとか、関係ない。
生きるため、次また演奏するため、
そんなシンプルな理由だと思う。
いただけるお金は、
演奏してくれてありがとう、
しっかり生きて、また次にいい演奏してね、
という相手の想いを、
お金の形で受け取っているのだと思う。
お金儲けが苦手な僕にとって、
この資本主義社会で、
本来は経済とは関係がない、
芸術を仕事にして生きるというのは、
そんなことだと思う。