日々のレポート

響ホール(山形)のライブ・レポート

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昨日、山形入りしました。秋の東北ツアーです。
新幹線、特急を乗り継ぎ、最後はローカル列車がガタゴト音を立て、
夕暮れの日本海沿いを走ります。


今日は庄内にある「響ホール・大ホール」でのソロ・コンサート。
昨年に引き続き2度目です。

今年も地元の皆さんが「いのちの音」コンサート実行委員会を立ち上げてくださり、
企画運営、宣伝、準備すべて行ってくださいました。

50人以下の小さな会場で演奏するのがほとんどな、僕の地道な活動のなかで、年に数回、こうして大きなホールで演奏できることは、皆さんがくださるご褒美でもあり、挑戦でもあります。

音楽は一人一人に届くものであり、
お客さんが一人であれ、100人であれ、1000人であれ、変わりません。
でも、生音のみで後ろのほうの席のお客さんまで満足いくような音を届けること、
幅広い年代や好みのお客さんに満足いくような音を届けること、
それらは広いホールならではのこと。

特に、後者のことを考えるとキリがありません。
でも、僕には表現したいことがあり、伝えたいことがあり、
それを自分の音で紡いできました。

今日僕がすべきことは、きっと伝わると信じて、
一音一音に魂をこめて弾くことしかありません。


101002_re_01.jpg(リハーサル風景)


今日の第1部は、約45分間の完全即興(フリー・インプロビゼーション)にしました。

テーマは「庄内の秋」。
昨日、車窓からずっと眺めてきた風景。今日、この会場を取り囲む風景。

延々と続く田畑、
遠くにそびえる雄大な山々、
抜けるような青さの秋晴れの空、
美しい秋の虫の音、鳥たちの声、
頬をなでる爽やかな秋の風。


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ここはホールという閉じられた空間だけど、
目をつぶれば無限に広がる想像力の世界があるんだ。
お客さんに身も心も解放してもらいたい、
そして共鳴したい。

そういう想いで、45分間、弾き続けました。


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後半はオリジナル曲。
どの曲も、即興的にアレンジしながら演奏し、今日だけの音として紡ぐ。
自分の曲を再現してゆくのではなく、毎回、自分と曲の限界に挑戦してゆく姿勢で弾いてゆきました。


《セットリスト》

■第1部
1, 即興演奏(約45分間)

■第2部
2, 風のゆくえ
3, みずよとわに
4, 水滴のダンス
5, 息をして

(アンコール)
6, 空に還った雲


アンコールのとき、家族の話をしました。
皆に家族があり、僕にも家族があり、それは雲のように刻々と変化し、生まれては消えてゆく。皆さんの家族を思い浮かべながら聴いて欲しい---

弾いているとき、まだ幼い我が子が脳裏に浮かんび、涙があふれました。


そんな僕の新しい家族の存在、
僕に力をくれました。

そして、
実行委員会のみなさんと、
今日お越しくださったすべてのみなさんが、
僕に力をくれました。

たくさん拍手、本当に嬉しかった!
ありがとうございました!


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コンサート終了後、僕は、
やりたいことを全身全霊でやり切った充実感に満たされていました。

そして、皆さんの感想をお聴きし、
ああ、本当に良かった...と思えたのでした。

去年より良かった!!
今までで一番良かった!!
と、皆さんが口々におっしゃってくださいました。

この一年で、どれだけ成長できたか、自分では分からないだけに、こう言っていただけたことは本当に嬉しいし、また前進していく最高の励みになります。


そして、
自分はどんなイメージが広がったかを皆さんが話してくださり、
そんなふうに聴いてくださったことが本当に嬉しかった。


また、
広い空間のなかで、音に包まれるような感覚であった、
最後尾でもそう感じた、
スピーカーがついてるかと思うくらいの音だったと、
おっしゃっていただきました。

今日は響きに対してより意識的に演奏できたし、
その可能性を広げようと思いながら弾きましたし、
調律してくださった柴田さんが、
音がふぁーと広がる感じをイメージして調律してくださった、おかげでもあります。
柴田さんはいつも調律の後にお金を払ってまでコンサートを聴いてくださり、僕の曲・演奏方法を考えて調律してくださるのです。
本当にありがとうございました。


打ち上げは、実行委員会のみなさんとともに、
楽しい時間、嬉しい時間を過ごしました。

次はどんな会場がいいか、今度は野外はどうか、それならこんな場所がある、ピアノはある、ない...などなど、皆さんが口々に言ってくださるのは、僕にとってどれだけ幸せなことか。

これまでの準備は、大変なことの連続で、ご苦労をかけっぱなしです。
皆さんのおかげで今の僕があり、また未来へと歩いてゆけます。

この場を借りて、
花うさぎの千鶴さん、門脇さん、つるおかユースの良磨さんを始め、
実行委員会の皆さんに御礼申し上げます。

本当に本当に、
ありがとうございました!


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