とても心地よい朝。
朝日の中、
クレムと一緒に、シロとゴンのお散歩。
お店の緑もとても美しい。
究林登さんは、フレンチのレストラン。
以前、僕のコンサートを聴きに来てくださったのですが、
そのときはまだお店にはピアノがなくて。
いつかお店でのコンサートが実現したらいいですね、と話していたら、
いろんなご縁がつながって、お店にグランドピアノが来てくれました。
古いヤマハのピアノ。
今日初めてお会いした、小嶋さんという調律師さんが、
とても丁寧に調律してくださいました。
ご挨拶して、目を見ただけで、
「あ、この人なら大丈夫」と思えるかたでした。
ピアニストが来る前に調律を済ませて帰ってしまうかた(音を聴きもせずに!)、
もっとこうして欲しいというリクエストに対し、「無理です」と言って何もしてくれないかたも多い。
僕の音を聴いて、僕の演奏方法、音色にあった音を作って下さる調律師さん。
そういうかたは、実は少ないのです。
今日の小嶋さんは、僕のリハサールのあとに、
さらに丁寧に丁寧に調整してくださいました。
調律している姿も美しい人でした。
究林登さんは大きなガラス張り。
外はまるで緑のカーテンのよう。
今日はまず、みなさんには本日限定スペシャルランチをお召し上がりいただき、
そのあとにコンサートです。
コンサートの前半は、花とピアノの即興コラボレーション。
徐々に深まってゆく秋をテーマに、30分ぐらいのパフォーマンスをしました。
おなかに赤ちゃんのいる舞ちゃんが、
フラワーアーティストとしてこうしてパフォーマンスをするのは、
ひとまず今日で最後。
できあがった作品は、ゆったりとふっくらしていて、
まるで妊婦さんのようでした。
後半は、僕のソロを45分ほどさせていただきました。
すべての人に、満足していただくのは難しい。
性別、年齢、
音楽の好み、
今日の気分や体調、
集中力、想像力、気力、体力、聴力、
ピアノとの距離、
どうやってここまで来たか、元気か疲れているか、
時間や心に余裕があるのかないのか、
すべて、それぞれみな違う。
だから、全員が全員、100%満足するのものを作ろうとすると、
八方美人的な、どこか媚びているようなものになる可能性がある。
しかし、だからといって、自己満足でいいわけではない。
みなさんは、お金と時間と労力を使ってお越しくださっているわけだし、
そもそも、僕にとって表現するということは、
相手と通じ合うことであり、
調和し、共鳴することを目指しているからだ。
信じて進むしかないのだ。
きっと分かり合える瞬間があると。
恐れを捨てて、
思い切り弾くしかないのだ。
今日の演奏が、
あなたのどこかに届く瞬間が少しでもあったなら、嬉しい。
究林登さん、舞ちゃん、クレム、
おこし下さったみなさん、
ありがとうございました。
そして今日の日よ、ありがとう。
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